J2でVARは使われる?藤枝対徳島の判定とハンドの確認点

ペナルティーエリアの白線のそばに置かれたサッカーボールと審判の笛

J2のリーグ戦にはVARが導入されておらず、10月24日の藤枝MYFC対徳島ヴォルティスでも、VARによる映像確認は行われませんでした。一方、ボールが手や腕に当たることと、ハンドの反則が成立することは同じではありません。

槙野智章監督の試合後の発言を受けて、なぜPKにならなかったのか、映像があるのになぜ確認できないのか、と感じた人もいると思います。試合で起きたことと2026/27シーズンの競技規則を照らし合わせ、判定を考えるときの確認点を整理します。

この記事のポイント
  • 藤枝対徳島で問題となった場面と実際の試合結果
  • 中継カメラがあってもVARを使えるとは限らない理由
  • ハンドを考える際に見る接触と腕の動きの違い
  • 試合後の検証と試合中の判定変更の関係
目次

J2のVARと藤枝対徳島の判定

タッチライン外の中継カメラとピッチ上で試合を見守る審判
テレビ中継とVARの運用は別の仕組みです。画像は説明用のAI生成イメージです。

藤枝対徳島で何が起きたのか

10月24日のJ2第13節、藤枝はホームで徳島と対戦し、0対1で敗れました。Jリーグ公式の試合記録では、徳島の高木友也選手が前半28分に挙げた得点が決勝点になっています。

当該場面の報道によると、論点となったのは後半24分、藤枝の川本梨誉選手が扱ったボールが、徳島の田中隼人選手の左手に当たったように見えた場面です。PKは与えられず、抗議した槙野監督にはイエローカードが示されました。THE ANSWERが伝えた当該場面の記事で経緯を確認できます。

試合後には槙野監督が判定への不満を述べています。ただし、監督の発言は当事者の評価です。リーグによる公式の判定説明と分けて読むことで、発言の強さだけからプレーの結論を決めてしまうことを避けられます。

中継カメラとVARは別の仕組み

「映像が残っているなら、主審が見ればよいのでは」と思うかもしれません。テレビ中継のカメラは視聴者に試合を届ける設備で、VARは審判の判断を援助するための運用です。中継映像が存在するだけで、その試合にVARの手順を追加できるわけではありません。

日本サッカー協会の競技規則では、VARの使用には実施要件を満たすこととFIFAの文書による承認が必要です。映像を扱う審判員や主審との連絡、レビューの手順まで含めた仕組みであり、通常のリプレーを見ることとは役割が異なります。

そのため、今回の場面を見た視聴者がリプレーで疑問を持ったことと、試合中にVARの確認が入らなかったことは両立します。VARがなかったという説明だけで、元の判定が正しかったかどうかまで決まるものでもありません。

2026/27の規則改正との関係

Jリーグは7月23日、2026/27競技規則改正の適用を発表しました。J2では8月8日の第1節から適用する案内になっています。10月の試合を考える際は、過去シーズンの解説だけで判断せず、適用中の版を確認する必要があります。

改正にはVARがレビューできる対象の追加も含まれますが、Jリーグの適用通知は「VAR導入試合のみ」と条件を付けています。規則にVARの項目があることと、すべてのJ2の試合でVARを使うことは別の話です。

ハンドの反則を確認するポイント

腕を体に沿わせた選手と腕を外へ広げた選手を並べた練習風景
腕の位置を比較するAI生成イメージ。姿勢だけで反則が決まるわけではありません。

手への接触と腕の動きを見る

守備側のハンドを考える入口は、手や腕に触れたかどうかです。ただし、それで確認が終わるわけではありません。JFAの2026/27競技規則第12条は、手や腕への接触がすべて反則になるわけではないと示しています。

主な判断点は、手や腕をボールへ動かして意図的に触れたのか、手や腕によって体を不自然に大きくしていたのか、という点です。後者は腕が体から離れているという見た目だけでなく、その場面の体の動きに照らして位置が正当といえるかを考えます。

映像を見直すなら、接触の瞬間に加え、直前の動作から腕がどう動いたかを見ると、疑問を具体的に整理できます。「当たったように見える」という観察と、「その位置や動きが反則に当たる」という評価を順番に確認するのがポイントです。

静止画と通常速度で分かること

静止画やスロー映像は、ボールと腕が接触した位置を確かめる助けになります。一方、一瞬を切り取ると、体をひねる動きや腕を動かした流れが分かりにくくなることもあります。接触前後を含む映像も合わせて見たいところです。

JFAのVARの実施手順でも、接触点などの事実確認に使うスロー映像と、ハンドかどうかの判断に用いる通常速度を区別しています。これは今回VARが使われたという意味ではなく、映像を読む際の確認点として参考になる規定です。

また、映像から見える腕の動きと、主審がその瞬間どこを見て何を認識したかは同一ではありません。主審の認識や判断理由は、当事者や公式の説明が確認できる範囲で扱う必要があります。

試合後の検証と判定変更の違い

試合後の映像検証は、何が起きたかを整理し、今後の審判やプレーの理解につなげるものです。その検証と、終了した試合へさかのぼってPKを追加することを同じ手続きとして考えることはできません。

競技規則第5条は、プレーが再開された後などに、主審が直前の再開の決定を変更できないことを定めています。VARについても、再開後にレビューできる事象には制限があります。後から新しい映像や意見が出たというだけで、その場のPKのやり直しになるわけではないのです。

槙野監督の発言を読む際も、試合中の判定に対する不満と、試合後に説明や検証を求める問題意識を分けると理解しやすくなります。

J2の判定を確認するときのまとめ

藤枝対徳島ではPKが与えられず、試合結果は0対1でした。確認の順番は、まず公式記録で結果と時刻を押さえ、次に接触前後の映像を見て、適用されるハンドの規則と照らし合わせる、という流れです。

VARの有無、手や腕への接触、反則としての評価、試合後の検証は、それぞれ異なる確認事項です。2026年10月25日に確認した規則と報道を基に整理しているため、今後公式の判定説明が出た場合は、その説明と照合して読むと判断の根拠を確かめられます。

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