2026年10月19日に発表された法人向けdynabookの新製品は、14型の「M64/RA」「MA64/VA」と、16型の「B56/RA」「BA56/VA」の4機種です。「法人向け初の4色」という発表で気になっても、4機種すべてで色を選べるわけではありません。
選び方の軸は、まず画面サイズと持ち運び方、その次にIntel・AMDのCPU構成、AI機能や通信環境です。左右にUSB端子を備える点は共通ですが、NPUの有無、Wi-Fi規格、タッチ・LTEの選択肢は区別して見る必要があります。公式発表と製品のラインアップを基に、違いと導入前の確認点を整理します。実機を用いた性能・電池持ちのレビューではありません。
- 4色から選べるのは14型のM64/RA・MA64/VAで、16型はグレーのみ
- IntelはM64/RA・B56/RA、AMDはMA64/VA・BA56/VA
- USB Type-CとType-Aは4機種とも左右に各1基ずつ配置
- AMDのNPUはCPU構成で異なり、標準価格と見積額も分けて確認
情報は2026年10月20日10時07分(日本時間)確認時点です。受注開始は10月19日で、納期や構成別の条件は見積もり時の確認が必要です。発表元はDynabook株式会社の公式発表です。
dynabook新4機種の違いを画面・色・CPUで比較

まず14型と16型、次にIntelとAMDで分ける
今回の4機種は「14型か16型か」と「IntelかAMDか」を組み合わせた構成です。M64/RAとMA64/VAが14.0型、B56/RAとBA56/VAが16.0型に当たります。型名のAを含むMA・BAがAMD搭載側と覚えると、4機種の関係を整理しやすくなります。
| 比較項目 | M64/RA | MA64/VA | B56/RA | BA56/VA |
|---|---|---|---|---|
| 画面サイズ | 14.0型 | 14.0型 | 16.0型 | 16.0型 |
| CPU系統 | Intel Coreシリーズ3 | AMD Ryzen PRO 200/Ryzen 200 | Intel Coreシリーズ3 | AMD Ryzen PRO 200/Ryzen 200 |
| 本体カラー | 4色 | 4色 | スターリンググレー | スターリンググレー |
| 無線LAN | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 |
| Bluetooth | 5.3準拠 | 5.4準拠 | 5.3準拠 | 5.4準拠 |
| NPU | CPUにより最大16/17TOPS | PRO構成は最大16TOPS、Ryzen 5 220は非搭載 | CPUにより最大16/17TOPS | PRO構成は最大16TOPS、Ryzen 5 220は非搭載 |
| タッチ液晶・LTE | 選択肢あり | 選択肢あり | 今回のラインアップ表には記載なし | 今回のラインアップ表には記載なし |
表の機能は、シリーズの全構成に標準搭載されるという意味ではありません。特にタッチ液晶、ワイヤレスWAN、生体認証、カメラはカスタマイズの対象です。仕様を決めるときはシリーズ名から一段進み、CPU名と型番が一致する構成表を確認してください。
確認元は各製品の公式ラインアップです。M64/RA、MA64/VA、B56/RA、BA56/VAを比較しました。
4色を選べるのは14型の2機種

4色展開の対象はM64/RAとMA64/VAです。色名はスターリンググレー、フェザーシルバー、マルーンレッド、クレールグリーン。16型のB56/RAとBA56/VAはスターリンググレーのみなので、「16型で赤や緑を選ぶ」という組み合わせは今回の発表にはありません。
部署ごとに色を分ける、社内の共用機と個人配布機を見分ける、といった運用は考えられます。ただし、色分けは資産管理番号や端末管理の代わりにはなりません。色の好みを先に固定するより、必要な画面サイズと運用条件を満たす機種を絞り、その中でカラーを選ぶと整理しやすいでしょう。
また、画像の見た目だけで実際の色味を確定するのは避けたいところです。メーカーも発表資料の写真や画面が実際の製品と異なる場合があると注記しています。大量導入で社内の色合いや外観基準が重要なら、手配先に実物確認の可否を相談するのが確実です。
14型は携帯性、16型は大きな表示とテンキーが軸
14型の2機種は、約1.2kgという軽量設計が案内されています。ただし、これは目標値であり、タッチパネル非搭載・ワイヤレスWAN非搭載モデルの場合という条件付きです。すべての構成が一律に約1.2kgと確定しているわけではなく、質量にも製品差があるとされています。
一方、16型の2機種は、16:10のノングレアWUXGA液晶とテンキー付きキーボードが特長です。数字を繰り返し入力する業務では、独立したテンキーが必要かどうかがサイズ選択の具体的な判断材料になります。机に置いて作業する時間が長い人は、画面の物理的な大きさも確認したい点です。
注意したいのは、掲載されている基本の画面解像度は14型も16型も1,920×1,200ドットであることです。16型だから表示できる画素数まで増える、同じ倍率のまま必ず多くのセルが見える、とまではいえません。文字の見え方は画面サイズに加え、Windowsやアプリの表示倍率によっても変わります。
画面が大きい方を選べばすべて解決するのではなく、持ち運ぶ頻度、外部モニターの有無、テンキーの必要性をまとめて考えると、14型と16型の優先順位を付けやすくなります。16型に14型の質量条件をそのまま当てはめないことも大切です。
左右のUSB配置は4機種共通

今回の新筐体で共通する分かりやすい変更点が、USB端子の配置です。4機種ともUSB3.2 Gen2のType-Cを左右に1基ずつ、USB3.2 Gen1のType-Aも左右に1基ずつ備え、USB端子は合計4基となります。Type-Cは電源コネクタとしても案内されています。
| 側面 | 4機種で共通する主な端子 | 14型で構成による追加 |
|---|---|---|
| 右側面 | microSDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、LAN | ─ |
| 左側面 | セキュリティロック用スロット、USB Type-C、HDMI、USB Type-A、マイク入力/ヘッドホン出力 | ワイヤレスWAN搭載時のSIMカードトレイ |
コンセントが右にある席では右側、左にある席では左側から電源をつなぐ、といった使い方がしやすい設計です。Type-AのマウスやUSBメモリーも、机上の配置に合わせて左右を選べます。フリーアドレスの席替えが多い職場では、CPUの数値とは別の実用上の比較点になります。
ただし、LANは右、HDMIは左という配置なので、すべてのケーブルを必ず片側にまとめられるわけではありません。壁際の机や会議室では、電源・有線LAN・映像出力をどちらに置くかまで確認すると、導入後の配線を考えやすくなります。
USB Type-Cという端子形状だけから、手元の充電器やドックですべての機能が使えると判断することも避けましょう。給電や映像出力、周辺機器の対応条件は、実際に使用する機器と対象型番の仕様を組み合わせて確認する必要があります。正確な配置は公式インターフェース図でも確認できます。
受注開始と価格・納期は分けて考える
4機種は2026年10月19日に受注を開始しました。これは注文受付の開始であり、どの構成もその日からすぐ受け取れるという案内ではありません。公式ラインアップにも、納期や価格の詳細は営業担当へ確認する旨が記載されています。入れ替え日が決まっている場合は、希望構成の納期を別に確かめてください。
公式の本体標準価格は次の範囲です。税込みで、掲載されたベースモデル同士をまとめたものであり、販売店の実売価格や個別の見積価格ではありません。「エントリー価格帯」という発表表現だけを頼りに、個人向け量販モデルと同じ価格感で判断しないようにしましょう。
| 機種 | 掲載ベースモデルの本体標準価格(税込) |
|---|---|
| M64/RA | 807,950~897,050円 |
| MA64/VA | 701,140~849,640円 |
| B56/RA | 767,250~856,350円 |
| BA56/VA | 660,550~809,050円 |
この範囲にはCPUによる違いがあり、下限モデルのCPUや機能が4機種で同じとは限りません。タッチ液晶、LTE、Office、生体認証などを加えると条件も変わります。さらに公式には配送費、設置調整費、使用済み製品の引き取り費などを掲載価格に含まないとあるため、予算は本体価格だけで決めない方が安全です。
使い方から選ぶ手順と導入前の確認条件

外回り・会議室移動なら14型の構成を詰める
社外へ持ち出す、会議室を何度も移動する、共有デスクの引き出しに収納するといった使い方なら、まず14型のM64/RAとMA64/VAを比較する流れが自然です。両機種とも4色、タッチ液晶やLTEの選択肢があり、単にIntelかAMDかだけでは決まりません。
LTEを選ぶ利点は、外出先でWi-Fiを探したりスマートフォンを介した接続を準備したりする手間を減らせる点です。一方で、内蔵モジュールを選ぶことと、通信サービスを使い始めることは別です。サービス契約が必要で、対応する通信事業者やeSIMの提供状況を事前に確認しなければなりません。

公式案内ではLTEは4G対応で、nanoSIMとeSIMは切り替えて使う方式です。国内専用のSIMフリー端末とされ、すべての通信事業者との接続保証ではありません。海外出張用、音声通話用、5G内蔵モデルとして想定してしまうと選び違いにつながります。利用する地域と社内回線の契約条件を具体化してから選びましょう。
また、LTEやタッチを選ぶ場合は、非搭載構成の約1.2kgという目標値と混同しないことが必要です。持ち歩く総量にはACアダプター、ケーブル、マウスなども含まれます。軽量性を重視するなら、欲しい機能を付けた完成構成の質量と付属品を見積もり時に確認すると、判断基準がぶれにくくなります。
この用途での選び分けは「14型にする→LTEとタッチの要否を決める→CPU・無線LANを比較する→最終構成を確認する」という順番が考えられます。先にCPUの名称だけを比較するより、実際の持ち運びに必要な条件を落としにくい進め方です。
デスク作業と数値入力が中心なら16型を比較する
経理の入力、集計表の確認、資料を見ながらの入力など、机で作業する時間が長くテンキーも使いたい場合は、16型のB56/RAとBA56/VAが比較対象になります。スターリンググレー1色という条件を受け入れられるなら、画面サイズと入力方法を軸に絞り込めます。
その際も、16型の内蔵画面だけで業務を完結させるのか、普段は外部ディスプレイにつなぐのかで意味が変わります。毎日外部モニターとキーボードを使うなら、持ち出し時の扱いやすさを優先して14型を選ぶ考え方もあります。逆に、会議室や一時作業席でもノート単体で数値入力したいなら、16型のテンキーが判断材料になります。
どちらが高性能かをサイズだけで決めることはできません。B56/RAとM64/RAはIntel側、BA56/VAとMA64/VAはAMD側の構成です。大画面だからCPU性能も上、AMDだから必ず電池が長持ちするといった順位は、今回確認した仕様表だけからは付けられません。
4機種の公式ラインアップでバッテリー駆動時間は「後報」とされています。現時点の資料で「丸一日使える」「14型より16型の方が長持ち」といった比較はできません。社内の運用時間に足りるかは、正式な駆動時間情報と使用条件を確認して判断してください。
AI機能と無線LANは構成名まで確認する

Intel側のM64/RA・B56/RAは、Core 7 360、Core 5 330、Core 7 350、Core 5 320をラインアップしています。掲載上のNPU性能はCore 7が最大17TOPS、Core 5が最大16TOPSです。TOPSはAI処理に関する指標ですが、普段使うアプリでの体感やPC全体の速さが、この数値だけで決まるわけではありません。
AMD側のMA64/VA・BA56/VAは、Ryzen 7 PRO 250、Ryzen 5 PRO 230、Ryzen 5 220を用意しています。PRO 250とPRO 230のNPUは最大16TOPSですが、Ryzen 5 220はNPU非搭載です。「AMD搭載の新機種なら、どの構成でもNPU付き」と読み替えないことが最も大切な注意点です。
さらに、会議向け機能の条件も区別する必要があります。AMD側の製品ページでは、WindowsスタジオエフェクトについてRyzen 7 PRO 250を選んだ場合という注記があります。NPUの有無だけを確認して終わらせず、背景効果など実際に使いたい機能が対象構成で利用できるかまで確かめてください。
AIノイズキャンセラーは製品ページで案内されていますが、出荷時にはOFFとされ、一部のオンライン会議アプリでは利用できない場合があります。機能名があること、NPUを搭載すること、普段使うアプリで目的の処理ができることは、それぞれ別の確認項目です。導入目的が会議の聞き取りやすさなら、社内標準の会議アプリとの組み合わせを確認する方が役立ちます。
無線LANはIntel側がWi-Fi 6E、AMD側がWi-Fi 7で、Bluetoothもそれぞれ5.3準拠と5.4準拠です。これは今回の4機種を分ける明確な仕様差ですが、Wi-Fi 7対応PCへ替えれば社内の回線が自動的に速くなるという意味ではありません。アクセスポイントや接続環境も合わせて確認する必要があります。
したがって「既存のIntel環境と合わせたい」「Wi-Fi 7を使う計画がある」「特定の会議機能が必要」といった条件を先に整理し、その条件に対応する構成を選ぶのが実務的です。NPU搭載だけで特定のAIサービスの利用権や、すべてのAI機能への対応まで保証されるわけでもありません。
見積もりは同じ条件にそろえて比較する

機種を絞れたら、比較する見積もりの条件をそろえます。公式ラインアップの基本構成はメモリ16GB、SSD512GBで、SSD1TBなどの選択肢も案内されています。片方だけSSD容量やOfficeを追加したまま価格を比べると、CPUや画面サイズによる差なのか判断しにくくなります。
- CPUの正式名称と対象型番、NPUを必要とする機能の対応条件
- メモリ・SSD容量、タッチ液晶とLTEの有無
- Webカメラの画素数、指紋認証と顔認証の有無
- Officeの種類とライセンス条件、保守・設定作業の範囲
- 納期、本体以外の費用、持ち運ぶ構成での質量
カメラや生体認証も、全構成で同じではありません。ラインアップには約92万画素カメラを基本とするものに加え、約200万画素カメラと顔認証センサー、指紋センサーを組み合わせる選択肢があります。「Windows Hello対応」などの案内だけを見て、発注する構成に必要なセンサーが含まれると判断しないようにしましょう。
IntelのCore 7 350とCore 5 320を搭載するモデルには、官公庁・自治体・教育機関・SOHO・個人事業者向けという注記もあります。価格表の下限だけを見て一般企業の調達候補へ固定せず、自社の導入区分で選択できるCPUと構成を確認する必要があります。
Officeの扱いも分けて確認してください。掲載のMicrosoft 365は1か月の試用条件が付いており、永続的に無料でOfficeが使えるという意味ではありません。Microsoft Office Home & Business 2024を選ぶ場合も、現在の社内ライセンスと重複しないか、利用権の管理方法を含めて検討すると余分な構成を避けやすくなります。
堅牢性については、公式発表時点でMIL-STD-810H準拠のテストを実施予定としています。一部はメーカーが設定した試験条件に従い、無破損・無故障を保証するものではないとの注記があります。「MIL規格だから落としても壊れない」「すでに全試験を完了した」という理解にはしないでください。
dynabook4機種は用途を決めてから構成を比べる
4色と携帯性が軸ならM64/RA・MA64/VA、大きな画面とテンキーが軸ならB56/RA・BA56/VAから比較するのが出発点です。そのうえでIntel側かAMD側か、NPUの要否、Wi-Fi環境、タッチやLTE、認証機能を選びます。左右のUSB配置は4機種共通なので、端子の有無だけでなく実際の机でのつなぎ方も確かめると選びやすくなります。
最後に、発表時の目標値・後報・選択可能という表現を、確定した標準仕様と混同しないことが大切です。約1.2kgの条件、AMDのNPU構成、実際の納期と総額を押さえれば、「色で選んだら必要なサイズと違った」「AI機能が全構成で同じだと思っていた」といった選び違いを防ぎやすくなります。
詳細な選択肢はM64/RAの公式製品情報、MA64/VAの公式製品情報、B56/RAの公式製品情報、BA56/VAの公式製品情報で確認できます。発表後に仕様が更新される場合があるため、最終的には発注する型番の最新情報を基準にしてください。


