草むらで鮮やかなピンク色のバッタを見つけると、「新種なの?」「捕まえてもいい?」と驚きますよね。結論からいうと、ピンクは特定の種類名ではなく、複数のバッタの仲間で確認されている珍しい体色です。
まずはその場で写真を撮り、見つけた場所と日時を記録するのがおすすめです。体の形を確認すれば種類を絞りやすく、無理に持ち帰らなくても貴重な観察記録を残せます。
- 見つけたら触る前に写真・日時・場所を記録
- ピンクは種類名ではなく複数種に現れる体色
- 色には遺伝と環境の両方が関わる可能性
- 一時観察後は見つけた場所へ戻すのが基本
ピンクのバッタを見つけたらすること

写真と場所を先に記録する
最初に、バッタへ近づきすぎない距離から全身を撮影します。横からの写真に加えて、可能なら上からも撮ると、頭の形、触角の長さ、翅の有無、後ろ脚の模様を比べやすくなります。
見つけた日時、草地・畑・公園などの環境、周囲の植物、体長の目安もメモしておきましょう。近くに同じ色の個体がいないかを探す場合も、植物を踏み荒らさず、私有地へ無断で入らないことが大切です。
名前は体の形から絞り込む
「ピンクバッタ」という一種類の昆虫がいるわけではありません。国内では、クビキリギス、ショウリョウバッタ、ヒナバッタ、オンブバッタなど、形の異なる複数の仲間で赤色系の個体が報告されています。

| 確認する部分 | 見分けるヒント |
|---|---|
| 頭の形 | 細長く尖るか、丸みがあるか |
| 触角 | 体に対して短いか、かなり長いか |
| 翅 | まだない幼虫か、長い翅を持つ成虫か |
| 後ろ脚 | 太さ、模様、体との色の違い |
写真だけで判断しにくいときは、地域の自然史博物館や昆虫館に問い合わせる方法があります。「ピンクだからこの種類」と決めつけず、体の形と発見地域をセットで伝えるのがコツです。
持ち帰る前に目的を決める
記念撮影だけなら、その場で観察して離すのが最も手軽です。短期間だけ成長や脱皮を観察したい場合は、風通しのよいケースを使い、直射日光の当たる車内や窓辺を避けます。

食べる植物は種類によって違います。分からないまま市販の野菜だけを与えるより、見つけた場所の植物を少量入れて食べるか確認します。採取禁止の場所では植物を持ち帰らず、施設のルールを優先してください。
密閉容器、直射日光、餌切れ、乾燥しすぎを避けます。長く飼う準備がない場合は、その日のうちに見つけた場所へ戻しましょう。
ピンクのバッタが珍しい理由

ピンクは種類名ではない
国内の報告を整理した昆虫館の研究では、種名を確認できた文献だけでも4科18種のバッタ目に赤色系の個体が記録されていました。報告が特に多かったのはクビキリギスで、次いでショウリョウバッタです。
全身が均一にピンクの個体だけでなく、頭・胸・腹・翅・脚の一部に緑色や褐色が混じる個体もいます。つまり、色の濃さだけでは種類も成長段階も断定できません。
遺伝と環境が関わる可能性
ピンクになる仕組みは、すべての種類で解明されたわけではありません。新聞記事では「突然変異」や「色素異常」と説明されることが多い一方、研究では一部の種類の交配実験から遺伝の関与が示され、飼育環境によって赤色系の個体が現れやすくなる例も報告されています。
そのため、現時点では「遺伝だけ」「周囲の色だけ」と一つに決めるのは正確ではありません。詳しい報告は、J-STAGEで公開されている国内で発見されている“ピンクのバッタ”で確認できます。
- 一部の種類では遺伝の影響を支持する観察がある
- 種類によっては気温・湿度・背景色など環境の影響も考えられる
- 体色に関わる色素や仕組みには未解明な点が残る
脱皮後に色が変わることも
ピンク色の幼虫がそのままピンク色の成虫になった例がある一方、脱皮後に緑色へ変わった例もあります。反対に、緑色の幼虫が脱皮してピンク色になったショウリョウバッタの報告もありました。
観察するなら、毎日同じ時間帯・同じ明るさで横向きの写真を撮ると変化を比較しやすくなります。日付、体長、脱皮の有無、食べた植物を一緒に記録すれば、夏休みの自然観察にもつなげられます。
観察後は元の場所へ戻す
長期飼育の準備がない場合は、観察を終えたら発見地点と同じ環境へ戻します。別の公園や遠い場所へ移すと、種類に合う植物がないことや、地域の生態系へ影響する可能性があります。
- 写真と発見記録を保存した
- ケース内に脱皮殻や卵がないか確認した
- 見つけた場所と同じ地点へ戻す
- 弱っている場合は地域の昆虫館へ相談する
虫取り中に「なぜ自分の周りに虫が来やすいのだろう」と気になった方は、虫が寄ってくるのが自分だけに感じる理由も、観察環境を考えるヒントになります。

