ボイジャー2号の現在地は、太陽系の惑星圏を抜けた星間空間です。1977年8月20日の打ち上げから49年たった今も、地球から約143天文単位(AU)離れた場所で観測を続けています。
では、今どこまで進み、地球とはどうやって通信しているのでしょうか。2026年8月時点の距離や通信時間、動いている観測機器を整理します。
- 現在地は地球から約143AU先の星間空間
- 距離は約214億kmで光でも片道約19時間50分
- 地球からの指令はオーストラリアの巨大アンテナが担当
- 2026年8月時点で3つの観測機器が稼働中
ボイジャー2号の現在地と距離

現在地は星間空間の約143AU先
2026年8月21日時点で、ボイジャー2号は地球からおよそ143AU、距離にすると約214億km先を飛行しています。1AUは地球と太陽の平均距離にあたる約1億5,000万kmです。
| 項目 | 2026年8月時点の目安 |
|---|---|
| いる場所 | 太陽圏の外側にある星間空間 |
| 地球からの距離 | 約143AU(約214億km) |
| 電波の片道時間 | 約19時間50分 |
| 進む速さ | 年間約3.1AU(秒速約15km) |
星間空間とは、太陽風の影響が弱まり、星と星の間に広がる物質の影響が強くなる領域です。ボイジャー2号は2018年11月に太陽圏の境界を越えました。距離は刻々と変わるため、上の数値は目安です。
NASAで今どこか確認する方法
現在の位置は、NASAの「Where Are Voyager 1 and 2 Now?」で確認できます。地球や太陽からの距離がリアルタイム表示され、ボイジャー1号との位置関係も立体図で見られます。
夜空の天体を自分の目で探したい場合は、季節ごとの見頃と場所選びが重要です。身近な観測の準備は、ペルセウス座流星群2026の見える場所と方角でも確認できます。
ボイジャー1号との違い
| 比較 | ボイジャー2号 | ボイジャー1号 |
|---|---|---|
| 打ち上げ | 1977年8月20日 | 1977年9月5日 |
| 大きな特徴 | 天王星と海王星を訪れた唯一の探査機 | 現在もっとも遠くにある人工物 |
| 星間空間への到達 | 2018年11月 | 2012年8月 |
| 現在の位置関係 | 1号より地球に近い | 2号より地球から遠い |
「2号」のほうが先に打ち上げられたのは、木星・土星だけでなく天王星と海王星も巡る長い経路を選んだからです。1号は別の軌道で速度を上げ、先に太陽圏の外へ到達しました。
ボイジャー2号と通信できる理由

70メートルアンテナで受信する
ボイジャー2号が送る電波は、地球に届くころには非常に弱くなっています。NASAは世界3か所の深宇宙通信網「ディープ・スペース・ネットワーク」で信号を受信し、長時間かけてデータを復元します。
| 通信の要素 | 役割 |
|---|---|
| 探査機の高利得アンテナ | 観測データを地球へ向けて送る |
| 地上の巨大アンテナ | かすかな電波を長時間受信する |
| キャンベラのDSS-43 | ボイジャー2号へ指令を送信する |
| 往復時間 | 指令と応答だけで約40時間かかる |
ボイジャー2号は太陽系の平面より南側へ進んでいるため、地球から指令を送れるのはオーストラリア・キャンベラにある直径70mのDSS-43です。不具合が起きても、その場で操作するような即時対応はできません。
49年後も動く電源と節電
太陽から遠すぎて太陽光発電は使えないため、ボイジャー2号は放射性同位体熱電気転換器(RTG)を搭載しています。プルトニウム238が自然に出す熱を電気へ変える仕組みです。

ただし発電量は毎年およそ4ワットずつ減少します。NASAはヒーターや使い終えた装置を順番に止め、限られた電力を観測と通信へ回してきました。2026年には複数の回路を同時に切り替える「Big Bang」と呼ばれる手順で、さらに電力を確保しています。
- 宇宙線サブシステムで高エネルギー粒子を測る
- 磁力計で星間空間の磁場を調べる
- プラズマ波装置で周囲の電子密度を推定する
2026年8月時点では、この3つが稼働中です。地球の磁気圏に守られていない場所を直接測れるため、機器が少なくなっても観測価値は残っています。
通信はいつまで続くのか
2026年8月の電力確保により、3つの観測機器は少なくともさらに約1年動かせる見通しです。その後も、電力が足りなくなれば観測機器を1つずつ停止し、できるだけ長く通信を保つ運用が考えられます。
- 現在地は約143AU先の星間空間
- 信号は片道約19時間50分
- 稼働中の観測機器は3つ
- 運用終了日はまだ決まっていない
ボイジャー2号の現在地は、地球から約214億km離れた星間空間です。49年前の機体が今もデータを届ける背景には、巨大アンテナと地道な節電、片道約20時間を前提にした慎重な運用があります。距離の最新値を知りたいときは、NASAの位置表示を確認するとよいでしょう。


